Character talking
Original Taste

―― 石川五右衛門 ――
鮮やかな剣の使い手
鮮やかな剣の使い手

2009/4/17 (Fri.) 23:53:44
 
 
 
ルパン、次元に続いて石川五右衛門を描いてみました。
 
パイロット版を意識して肌をやや浅黒くしてみました。
旧ルパンでの五ヱ門は5人の中で原作とアニメでは一番デザインが変えられているように思いますが
眉細く、色白で切れ上がった鋭い目にむっつりとした口元で、
剣豪然とした雰囲気が歴代アニメ版の中では一番好きな顔です。
しかし、このキャラデザインに疑問を感じることもありまして・・・。
 
僕の場合、キャラクターの絵を描く際は顔から描き出すのですが五ヱ門を描いている場合、
髪の毛を描く前の顔のみの状態の五ヱ門を見るとあまりキャラとしての個性を感じないときがあります。
(あの・・・僕の絵の拙さはこの場合関係ないとして)
 
 
 
たとえば、顔までを五ヱ門で描き、試しに髪型をお子様ランチにしてみた場合、
ただ眼つきの悪いインテリに見えてしまうのです。
これがルパンや、銭形だったらお子様ランチの髪型は似合わずともそれぞれの顔に個性があるので、
髪型が変でもルパンや銭形である事に変わりないのですが、
五ヱ門はあっさりショウユ顔であり、どちらかというと表情変化の乏しいキャラでありますので、
顔の個性としては押し出しが弱く髪型に影響されやすい顔に思うのです。
 
また目を細くすることによる剣豪としての鋭さの表現が、見ようによっては神経質でキレやすそうにも思え
色白の肌と相まって卑屈で内向的な人物に感じることもあるのです。(引きこもってそうな)
そういったキレやすそうに見えるというのは
 
「怒らせるとこわ〜い男」
 
っていう旧ルパンでの五ヱ門キャラに沿ったイメージどうりにはなっているようにも思うのですが、
今回描いた絵はそういった抜き身の刀のような緊張感を漂わせた五ヱ門ではなく、
真っ直ぐ相手を見据える威風堂々としたキャラ・しかし緊張感を漂わした人物として描きたかったのです。
 
 
 
そのために今回の絵では神経質さを払拭するために
原作の五右衛門のように眉を太く、モミアゲにしてみました。
それと目なのですが、テレビ版でのスタンダードな細く鋭い目ではなく、
かといって原作やPARTV初期のようなどこか優しげな書生風・青年剣士風(あくまで僕の印象です)
でもなくと考えた時、白土三平風の三白眼が合うんじゃないかと思い取り入れてみました。
旧ルパン版ほど細くなく、それでいて鋭さ・殺気・意志の固さのある目で
五右衛門というキャラの個性を出したかったのです。
原作ルパンを見ているとキャラの髪の表現などで白土劇画と似た部分を前々から感じており
コルトさんからいただいたコメントでも
モンキー・パンチは白土三平の劇画には影響を受けていたらしいとのことでしたので、
今回のチョイスはあながち的外れではなかったように思います。
 
 
 
あと顎ですが、原作では銭形のように割れた顎をしているのですが、
僕のイメージとして割れた顎っていうのは欧米人的な特徴に思っていまして、
フランス人の血をひくルパンや、現代の文明人(?)・無国籍世界の住人である銭形や
敵キャラの顎が割れているのはモンキー・パンチの画風も含めて肯定的に受け入れ、
そういった表現に違和感はないのですが、
武士道を重んじ、西洋風を嫌う性格の五右衛門の顎が割れているのは、なんとなく違和感があったのです。
それと顎が割れているキャラデザインって骨柄が太く体格の大きいイメージがあり、
そういったイメージも日本人である五右衛門には違うように思うのです。
ですのでこの絵では顎は一つにしておきました。
 
で、全体の雰囲気はパイロット版のような孤高の剣豪、ルパンとは馴れ合いの関係ではなく
ルパンの生き方を軽蔑しつつも惹かれるものがありで、
 
「奴は俺がいつか斬る」
 
とかの拘りをもっている男って感じです。ここら辺はパイロット版とかマモー編のイメージです。
五右衛門を描くと知らず知らずに片目を閉じてしまいます。やっぱりカッコいいと思います。
今回描いた連作は偶然にも主役のルパン以外は両目・片目を隠すことになりました。
 
 
 
余談ですが、僕は新ルパンの五右ェ門が好きではありません。それは、髪型が不二子と同じに思うからです。
厳密にはまったく同じではないのですが、キャラデザインのタッチの為か前頭部の盛り上がりだとか
前髪の表現(向きが違うのかな)だとかが同じように思えるのです。
ゲストキャラならいざしらず、メインのキャラですのでもっと明確に髪型を変えて個性を出して貰いたかった。
不二子という女性キャラと髪形が同じに見える為に、僕には五右ェ門がやさ男に見えて、
旧ルの五ヱ門と新ルの五右ェ門が戦ったら旧ルの方が強いだろうと思ってました。
 
 
 
あと以前石川さんとオフ会でお会いした際、お話させていただいた
「風魔一族の陰謀」での結婚は違和感がないのです。
旧ルの堅物的剣豪から新ル・PARTVで人との係わり合いを経験し、
人格的にも変化していったであろう五右衛門が、結婚という選択をするのもアリに思えます。
ルパン・次元に比べて五右衛門て、己の生き方に対して常に模索しているように思うので、
伴侶を得る事で新しい境地に到達できるのではないか?とかって考えもあるかもと・・・。
しかし僕の気持ちとしては声優さんが変更されたためか
 
「これは別物・番外編」
 
って気持ちの方が強いのです。
それに結果的には結婚しませんでしたので、エピソードとしては肯定的に受け止めています。
もしもあの話以降、妻子連れでルパンの仕事に駆けつけるって事になるのなら猛反対ですが。
 
 
ただ、僕は劇中の会話・設定等で気付かなかったのですが石川さんが仰っていたように
紫さんとの結婚が墨縄家への養子婿入りってことなら、彼が結婚をするのは無理があるように思いますね。
石川の家系を絶やすというのは無いように思います。
 
 

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