虫プロ版「あしたのジョー」からジョー対カーロスの試合を描いてみました。 互いにこの死闘を楽しんでいるかのような試合で、力石以後完全復活したジョーと、ホセとの試合を延期してまでのめり込んだカーロスの特別でかけがえの無い空間ってイメージで描きました。
カーロス 「どうしたジョー、その程度でまいる男じゃないだろう。お前へのもてなしはまだまだこれからだ。カモン!ジョー・ヤブキッ!」
ジョー 「ヘヘッ、わかってるよカーロス。これぐらいで降参じゃお前さんに申し訳がねぇからな。いくぜ南の大将!」
ってイメージです。虫プロ版のカーロスは声をされた広川さんの影響かジョーよりもやや年上に思え、また野性味を気品に隠した伊達男って感じがします。陽気に振舞ってはいるがその心の内では闘志が漲り、それを気高さで制御しているような。その気高さをかなぐり捨てジョーとの死闘にのめり込めたカーロスもこの試合は本気を出せたかけがえの無い幸せな瞬間だったように思えます。
広川太一郎さんといえば、『Mr.boo』と『007』ジェームス・ボンドが真っ先に思い浮かびます。当時テレビで放送されたMr.booでは大笑いしながら観ていましたが、その要因の大半が広川さんがされていた訳のわからない変な日本語でした。CMなんかの映画放送予告でMr.booが近々放送さてるとなると「またあの変なしゃべりが聴ける!」と楽しみにしていました。そして007は上品でありながらプレイボーイであり、声に何があっても大丈夫だろうと思わせる説得力というか余裕が感じられ、子供ながらに「ああ、カッコいい大人だなぁ」と思わせるものがありました。
また『ムーミン』のスノークと『宇宙戦艦ヤマト』の古代守も同じっていうのも驚きで、それらの声をされている人物が同じ人である事を知った時の衝撃は大きく俄かには信じられない事だったのですが、それはハリー・キャラハンとルパン三世が同じ人、南先生(ド根性ガエル)と力石徹が同じ人である事を知った時と同様の驚きであり、声優という仕事に携わる人達の凄さを知ったように思います。声の現場では演技の方法で衝突もあったと伺いますが、自分の仕事にプライドと拘りを持つ演者の極上の演技を観れた(聴けた)というのはとても幸せな時代を過ごさせてもらったんだなぁと思います。
カーロスをされていた際は作品の雰囲気を掴む前に終わってしまったとのコメントをされていますが、僕にはまぎれも無くカーロス・リベラであり、今でも「グッドラック!ジョーッ!ハハハハッ」ってセリフが耳に残っていますね。
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